愛とか恋とか









登場人物

女の子(子、とはいえ容姿は大人。理由はオチに関係する)

男の子(上に同じ)




男の子と女の子が向き合って体育座りで座っている。


女の子「ねぇねぇ、あたしのコト好き?」
男の子「好きは好きだけどどんな種類の好きなのかわかんない。」
女の子「じゃああたしとエッチしたい?」
男の子「エッチとか僕たちまだしちゃいけないんだよ。」
女の子「別にしてもいいんだよ。知らないの?」
男の子「しちゃいけないんだって。子供が子供作っちゃダメでしょ。」
女の子「子供作んないようにしたらいいじゃん。」
男の子「それでもダメだよ。」
女の子「つまんないの。早く大人になりたいなぁ。」
男の子「大人、ねぇ。」
女の子「そう、大人。茶色く染めた髪にふわふわのパーマかけて、かっちりしたスーツ着て、
真っ赤な口紅塗ってバリバリ働くの。で、顔は超美人なの。」

男の子「いきなり美人になれると思う?」
女の子「うるさいなぁ。お化粧とか色々あるから美人になれるもん!」
男の子「…まぁいいけどさぁ。」
女の子「そしたらエッチしよ。」
男の子「エッチとか言うなよ!」
女の子「アイとかコイとか確かめるのに一番手っ取り早そうじゃん。あたしらが確認するには
告白と両思いがいるでしょ?まぁ、あたしもよくわかんないけど。」

男の子「体育館の裏に呼び出して、ちょっともじもじしながら言うんでしょ?」
女の子「そういうのバカにしてるでしょ。」
男の子「うん。」
女の子「あんたモテないだろうねぇ。」
男の子「いや、結構モテるよ。」
女の子「運動得意?」
男の子「うん。サッカー部。」
女の子「足速い?」
男の子「うん。50m走7秒代。」
女の子「断言したげる。あんた中学生過ぎたらモテなくなるよ。」
男の子「何でそんなことわかんのさ。」
女の子「運動“だけ”が出来る人間がスター扱いされんのは中学までだから。」
男の子「はぁ?」
女の子「高校生ってのは、モテが細分化される第一関門なの。顔が悪くてもモテる男子が
出てくるのも、運動が出来なくても音楽に詳しかったり話し上手だったりするからモテる男子が
現れるのも、こっから。」

男の子「…別に僕モテなくてもいいし。」
女の子「強がり。モテなくていいなんて本気で思ってるのはアニメオタクや鉄道オタクだけ。
いや、ヤツらも実はモテたいからなぁ…」

男の子「女なんか嫌いだ!」
女の子「でも、世界は女が作ってんのよ?」
男の子「政治家は男の方が多いじゃん。」
女の子「じゃあ、その政治家は誰から産まれた?」
男の子「お母さん?」
女の子「お母さんの性別は?」
男の子「…女。」
女の子「ね?世界は女が作ってんの。」
男の子「じゃあ、男は女を自分のモノにしたと思い込んで実際には男が女のモノにされてるってことなの?」
女の子「それより以前にあたしはあんたの“モノにした”って言い方がヤだね。」
男の子「…どーしろってのさ。」
女の子「知るか。」
男の子「ていうか、ここドコなんだろうね?」
女の子「さぁ?でも静かでいいね、ここは。」
男の子「うん。」
女の子「あたしうるさいの、嫌い。」
男の子「ここに来る前は物凄いうるさいとこにいた気がするんだけどね。」
女の子「あたしもそんな覚えがあるんだけど、気のせいだと思うよ。」
男の子「だよね。静かなのがいいよ。」


白衣を着た男二人、ピンスポットで浮き上がる。

男A「これですか?幼児退行してる元ビジネスマンと元キャリアウーマンって。」

男B「そうそう。まぁ幼児っつっても小学生になりきってんだけどね。」
男A「小学生?何でまた。」
男B「さぁねぇ。一番幸せな時期だったんじゃない?」
男A「いい年こいた大人がねぇ…現代社会は恐ろしいですねぇ。」
男B「ね。」
男A「しかも幼児退行してるとはいってもちょこちょこ元の大人の記憶が混じってるんでしょ?」
男B「ええ、完全にイってないのがまたネックなんですよ。」
男A「扱いづらいですねぇ…」
男B「全くその通り。」
男A「でも、最近多いらしいですね。この手の患者。」
男B「らしいね。歪んでるねぇ。」



男の子「ずーっとここにいれたらいいね。」
女の子「そうだね。」
男の子「あの、ね。色々ヤなコト言ったかもしれないけど、僕は君が好きだよ。」
女の子「あたしもー。」






END,



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